『ファイナルファンタジー7 リメイク』レビュー

今回レビューするのはコチラ。

早いものでもう2年前のゲームなんですねぇ。

ゲームの歴史を変えた作品として名高い、スクエニの名作RPGファイナルファンタジー7』のフルリメイクです。

 

結構前にもうクリアしてはいたんですが、個人的に今までプレイしたゲームの中でもかなりお気に入りの部類に入るので特別にレビュー用で二週目をやって来ました。

 

この度、なんでも屋エストを全クリアし、ストーリーをクリア

ここまでのプレイ時間は約34時間

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以下、レビュー。

良かった所

圧倒的な作り込みのミッドガ

FF7リメイクとありますが、実際には原作の序章に当たる"ミッドガル編"までしかリメイクされていません。

リメイクなのに分割シリーズにすることに批判の声もあったみたいですが、実際にプレイすると結果的にこの判断は大正解に思えました。

 

スマブラのステージにも採用されている様に、今作の主な舞台となるミッドガルはFF7という作品を象徴する都市です。クラウドと並びFF7の顔であるがゆえに、その作り込みは妥協すまいと判断したからこその分割なのだとプレイしてて強く感じることが出来ると思います。

現代技術で街並みが作り直されてるのでそのクオリティに驚くのは勿論ですが、ミッドガル住民であるモブキャラの作り込みも凄まじくてこれは本当に驚かされました。すれ違いざまの住民同士の会話はストーリーの進行度によって変化するし、クラウドの評判によっては噂が街を越えて広まって口コミされたりもします。

 

今作のミッドガルはまるで本物の街を歩いているかの様なディティールの細かさや住民の生活感で、RPGの大御所スクエニの本気を垣間見たと感じました。

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後半になると、今作で行ける範囲の街は全てシームレスに繋がっていると発覚します。

これをオープンワールドと言えるのかどうかは意見が分かれる所でしょうけど、エリア制で移動してた街一つ一つが一気に繋がった時のあの感じは本当に感動しましたね。

 

また本編中では"なんでも屋エスト"と言うサブクエストが複数解禁されますが、依頼主との掛け合いはなんと全てフルボイスかつムービー付き。

固有のデザインやモーションを貰ってるサブクエ限定のエネミーも多くて、クエストの量は多くないものの一つ一つの質が凄いのでプレイしてて作業感は一切ありませんでした。

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分割で尚且つ発表から発売までかなり長い時間を掛けた以上それ相応の作り込みを期待された今作ですが、RPGで最も重要な要素の一つとなる世界観に関してはその期待に非常に高いレベルで応え得ます。

ただ歩いているだけでも楽しいし、サブクエも消化するとどれだけスクエニがこのゲームを心から本気で作っていたのかより理解することが出来ましたね。

かなり歯応えのある戦闘難易度

戦闘は基本的にはアクションRPGですが、今作の戦闘はターン制のコマンドバトル的な要素も取り入れた独特なものです。

ただ通常攻撃で攻めるだけではなく、マテリア編成や武器強化なども考えて魔法やアビリティを駆使し、尚且つ自分だけでなく仲間のステータス状況まで常に気を配らなければいけません。

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また、今作はRPG初心者にとっては結構難易度高いと思います。後半からは部位や弱点を狙って堅実に戦わないと苦戦必至のボスキャラが多く、ゴリ押しで挑むと(難易度ノーマル以上だと)まず勝てません。

道中の雑魚も"スモッグファクト"みたいにいやらしく体力を削って来る敵や、"サハギン"みたいに単体でもシンプルに強いのに集団で襲って来る敵もいたりして適当にやってるとゴリゴリ体力を削られます。

魔法も発動準備中に攻撃されるとキャンセル食らって魔法ゲージ(MP)だけが減るので、位置取りなんかも非常に大事。

 

その洗礼は一番最初のボスである"ガードスコーピオン"で受けることになると思います。適当にやっててもエラいことになるよと、最序盤も最序盤から教えられる訳です。

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この前にやったキンハ3が結構ヌルかったので、色んな要素を駆使して終始緊張感が途切れずに遊べた今作の戦闘は個人的には非常に歯応えがあって楽しめました。

 

また、単に歯応えがあるだけではなく戦闘中の演出も秀逸です。

高クオリティな音楽で奮い立つのはまず勿論ですが、中にはキャラクターの熱い実況を聞きながら展開される戦闘もあるので非常に燃えます。

キャラの魅力を表現することに全振りしたストーリー

作中で取り扱うのは原作のミッドガル編だけなので、それに合わせて物語として取り扱うストーリーもミッドガル編のみ。「基本的には」原作から逸脱はしません。

 

FF7の序章をより長尺にした物なので話はそこまで進まないんですが、それだけにキャラの掛け合いや描写にかなり力を注いだストーリーになっています。

クラウドのそっけないながらも何だかんだノリの良いキャラやバレットの思想の極端さ、ティファとエアリスの意気投合など、映像で見られる分、より魅力的に描写されていたと思います。

 

メインのクラウド達は勿論、原作ではそこまで活躍しなかったビッグス、ウェッジ、ジェシーは出番が増量された分よりキャラが立ってたのでは無いかと。

特にジェシーのグイグイ行く感じは良かったですね。原作ではそうでも無かった彼女も今作では第三のヒロインとも呼べる程に動くので、NPCの中でも印象に残り易いキャラだと思います。

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一方で道中はネタ要素だらけでもあり、中でも中盤辺りの"ウォールマーケット"なんかは爆笑必至のネタの宝庫。

原作でも女装クラウドと言う非常に有名なネタが生まれた街でもありますが、何を血迷ったのかネタ特盛で演出が超パワーアップしてます。

ここに至るまでの道中もそうですがこれは是非ともゲーム中で見て欲しいです。

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気になった所

FF7のリメイク」ではない

何を言ってるんだと思われるかもしれませんが、原作の物語を把握してる上でプレイした方は分かると思います。これは別に、FF7原作の序章部分しかリメイクしてないからとかそういう意味ではないです。

 

タイトルにはリメイクとありますがその実態は新解釈FF7とでも言うべきもので原作の物語とは似て非なる別物です。特に最終盤は、FF7の物語としては輪にかけて明後日の方向へ進んで行きます。

エヴァで例えるなら、原作がテレビアニメ版とすればこの作品は新劇エヴァ。今作は正に新劇第一章『エヴァ序』の立ち位置にある訳です。

原作との相違はネタバレにならない範囲で代表的な例を挙げるなら、「セフィロスが序盤から頻繁にクラウドの幻覚として出て来る」など。

 

特に今作特有の神羅カンパニーでもセフィロスでも無いとある敵勢力がいて、こいつが物語を進めると中々に滅茶苦茶な奴であることが分かります。

自分はこれはこれでと受け入れられましたが、原作に思い入れが特に強い人にはどうなのかな、というのは気になる所ではありました。

まとめ

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原作とは別物であることを加味しても全ての要素のレベルが高い、一つのRPGとして非常に良く出来たゲームだと思います。

やっぱりここまで世界を表現出来るスクエニの技量とRPGに対する熱意は凄いと感じましたし、FF7を本当に特別な作品として見てるからこそここまで作り込んだのがヒシヒシと伝わりました。

 

分作ではあるけど次がとても楽しみで、続編の『リバース』の発表は手を叩く程に喜んでしまいましたね。二週目でクリアしても、次が出れば絶対買いたいと思えるほどに相変わらず面白いゲームでした。