久々の2022年最新作を紹介します。
インディーズのゲームですね。猫ゲーと言って一部で話題になったりしてた、リアルな猫が主人公のADVです。
インディーズですが、開発期間は実に7年。開発スタジオでは人よりも猫が多いってくらい、猫好きスタッフだけで製作されたのだとか。
この度、B-12の記憶を全て思い出して、バッジを全て集めてクリアしました。
ここまでのプレイ時間は約8時間。
以下、レビュー。
良かった所
猫好き開発陣による本気の猫
開発陣が全員大の猫好きというだけあって、猫の挙動は徹底的に研究されて作り込まれていると思います。
グラフィックのリアル感は勿論ですが歩き方や走り方。ちょっとした仕草に至るまで現実の猫を参考にして拘り抜いており、特に序盤の仲間猫と一緒にいるシーンは癒し成分MAX。猫の生態も相当に研究していると思われます。
それだけに高所から落下したりするシーンの感じもかなりリアルで、人が落ちるのとはまた違う痛々しさがあると思いました。その後の若干足を引きずってら感じもまた生々しいです。
びっくりして思いっきり後ろジャンプしたり、ふわふわした場所で体を丸めたり。愛らしい一面が沢山でスタッフの猫愛が伝わる様な、猫好きには堪らないスクショ映えはほぼ全編通して存在すると思います。
また、ゲームなので猫が外的要因で死ぬ様なシーンも普通にあります。
でも血が出たりとかそういうのは無く、ただ無傷で横になって倒れるだけなので余りショッキングには思いませんでした。
猫ならではのアクションや探索
オープンなフィールドを猫となって探索し、その世界の住民と交流したり世界の謎を解き明かして行くのが目的なのですが、人ではなく猫なのでその探索は独特です。
家の側面にある換気扇を軽々飛び越えたり、体の小ささを活かして狭い道も平気で通れたり、猫視点での大冒険をリアルに体感出来ます。
ジャンプは任意でしか出来なかったりして余り自由度はないのですが、身軽ゆえに基本的には何処にでも飛び移れるので余り気になりませんでした。
猫なのでドアを開けることは出来ません。
なので、ドアを引っ掻いて家の中の人に開けてもらう、という独特のアプローチも取れたりします。
こんな感じで、ちょっとしたイタズラも出来たりします。
人だったらアレな行為でも、猫なら何か許せてしまうのがニクいです。
かなりハードな実態を持つサイバーパンク世界
サイバーパンク世界を猫で探索、というのが今作のウリではありますが、その実態はポストアポカリプスです。トレーラーを見た時点ではAIロボが生活する異世界にでも猫が転移したのかと思ってましたが、実際は猫が元いた世界も含め人類が完全に死滅した後の世界でした。
独特の容姿を持つロボ達は独自の言語とコミュニティを得て、ヒト亡き地にて彼らなりの文化・文明を築き上げています。
彼らは典型的なロボットだけど、それぞれにちゃんと確固たる人格と個性があるのが良かったです。仕事をサボって上司に怒られたり、大切な人と再会してハグをしたり、見た目が違うだけで仕草や行動は完全に人間のそれ。
猫だけではなく、この世界のロボット達の生活感や気さくさ、不思議な人間味をじっくり堪能出来るのも今作の魅力となっています。
開発の"BlueTwelve Studio"はフランスの会社ですが、店の外観や屋内など一部はアジアっぽいのも面白い。色んな文化が混ざり合ってます。
こことか日本の居酒屋っぽいですよね。
また、ポストアポカリプスだけあってゲームを進めるとかなりエグいこの世界の裏側を見ることになります。
癒しゲーな表の姿に反してこちらはかなりというか相当に容赦のない絵面でした。特に地下水路はバイオハザードかと思う程のトラウマ級のグロさです。
猫の可愛さのギャップでこれはかなり面食らいました。
気になった所
マップが無い
シネマティックな雰囲気重視なのか、今作にはマップがありません。
街は全体的に薄暗くて微妙に複雑な地形だったのもあり、結構迷い易くて苦労しました。
最もそこまでボリュームはないサクッと終わるライトなADVなので、気にならない人は気にならないとは思いますが。
まとめ
等身大の猫が主人公という斬新な発想ながら、しっかりADVとして落とし込めている良作です。開発陣の猫への無限の愛が伝わるゲームだと思います。
プレイ時間は長くありませんでしたが、短いプレイ時間で主人公の猫やその世界観の作り込みをじっくりと楽しめた濃密な一作でした。