『ソニックフロンティア』レビュー

今回のレビューはこれ。

セガが世界に誇る看板ゲームシリーズ、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の最新作。今年は大ヒットした映画の続編も公開されてソニックがそれなりに盛り上がった年では無いかと。

 

ソニックは久々ですね。僕のソニック歴は子供の頃に遊んだ『ソニックアドバンス』と『ソニックと秘密のリング』、それからスイッチの『ソニックマニア プラス』でしょうか。

何気に映画も観ました。前作に続いて安定した面白さでしたね。

 

…にしたってこのシリーズ、多分ソニック自体は知らない人少ないレベルだと思うんですがゲームの方は本当に日本だと人気無いですよね。今作それなりに力の入った一作だと思うんですが、あまり話題になってない感…。

ここまで知名度と人気の釣り合わないキャラって珍しいです。海外ではライバルのマリオと比較しても遜色無い人気があるのは伺えますが…。

 

さて、余談はここまでにして今回も楽しく遊ばせて頂きました。

全5つのマップを開拓率100%サブシナリオも全部回収って感じですかね。一応隠しエンディングも見ましたポータルのステージは赤リング全部取得

ここまでのプレイ時間は34時間弱

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以下、レビュー。

良かった所

ソニックで開けたフィールドを走り回れる爽快感

本作最大の目玉となる要素の一つに、"オープンゾーン"の存在があります。

名前の通りいわゆるオープンワールド風な開けたフィールドをソニックで駆け巡ることが出来るのですが、こちらは大体想像通りの物をお出しして頂けたという感じです。

 

用意されたフィールドは、緑豊かな"クロノス島"、砂漠地帯である"アレス島"、溶岩地帯に雪山と両極端な環境が共存する"カオス島"、そして"レイア島"と"ウラノス島"の計5つ。

ぶっちゃけレイア島はイベント用、ウラノス島はほぼクロノス島の使い回しなので多様性を感じられるのはカオス島までなのですが、全体的な雰囲気そのものは『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド』みたいな感じに捉えればいいと思います。

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こう言う開けたフィールドをソニックで走るというのはそれだけで夢があるし、シリーズ特有の疾走アクションで目的地までの移動におけるストレスが殆どありません。

ブーストのON/OFFもメリハリが効いてて小回りも効きやすく、移動面では爽快感が高い上に快適性も高いです。

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ただ走っているだけでも気持ちが良いし、パワーアップ次第ではレベル1から99までスピードの限界値を上げることが出来るのも良。オープンフィールドにおけるソニックの疾走という要素を、ある程度理想的な形で実現出来ただけでも今作は十分評価に値するのではないでしょうか。

ライトな謎解きでサクサクゲームが進むテンポの良さ

レイア島を除くすべての島には、ブレワイよろしく謎解きが至る所に配置してあります。

しかし、ブレワイのように頭を捻らなければいけない感じの物は皆無です。どちらかと言うと子供向けのアスレチックみたいな、攻略サイト見るまでも無い超単純なギミックばかり。

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これに関しては「手応えが無く作業的」と言う意見も理解出来ますが、基本的に謎解きが余り好きでは無い自分には有り難かったかな。かなりスルスルクリア出来るので、自分は悪くなかったと思います。

 

正直、それらの謎解きよりもフィールド上に配置されてるカオスエメラルドにどうやって向かおうかってそっちの方が結構頭を捻りました。

今作は一応、設定としては電脳空間ということになります。その為このようにソニックではお馴染みのジャンプ台やレールやダッシュ板が、空中の至る所に配置されています。

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非常に複雑な配置なので正規ルートがかなり分かりにくく、試行錯誤しながらのルート模索が求められるのでは無いかと。

従来通りのソニックが楽しめるポータル

オープンゾーンで探索や謎解きだけが今作のメインコンテンツという訳ではなく、従来通りの2D/3Dソニックなステージクリア式アクションも本作では楽しめます。

"ポータル"と呼ばれる祠がオープンゾーンの至る所に配置されており、ここを訪れると様々なステージに飛ばされて従来通りなアクションゲームを遊ぶことが出来ます。

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何となく各ステージ5枚用意されてる赤リング集めが疾走感を阻害する感じが気にはなりましたが、タイムアタックノルマもあったりして面白かったです。

全然シリーズは遊んでないのですが、何となく過去作で見覚えのあるステージがちらほらあった気がします。そういう意味でもファンサービスとして楽しめるのでは無いでしょうか。

気になった所

全編通して拭えない作業ゲー感

今作の問題点を一言で纏めるならこれですね。

謎解きが簡単過ぎるのもその一因ではあるのですが、どうにもフィールドは全部殺風景な感じでソニックにしては音楽も主張が弱く、メインストーリー含め淡々とした感じが否めません。

 

一応サブシナリオと言うことでテイルスやエミーと言ったいつものキャラ達とソニックの掛け合いを見ることも可能ですが…。

その鍵となるフィールドに散らばる"メモリーアイテム"がどうにも「非効率的な探索によるちまちました収集」か「とある裏技を使うことによる効率的だが最もゲーム的にはつまらない収集」の両極端でうーん…。会話の内容も印象的な物はありませんでした。

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何より、戦闘に駆け引きが無いのが作業感を最も助長してる感じがします。

パリィを一切ノーリスクに使用出来るんですよ。R1L1押し放しにして後は相手の攻撃を待つだけで攻撃を無制限に跳ね返せるってのはどうにも…。誰でもクリア出来る配慮だったのかもしれませんが。

その辺にいる雑魚や中ボスに限らずラスボス含む大ボスでもこれなので、正直ほぼ全ての戦闘はイベントバトルも同然というイメージ。対処も各ボス方法が異なるだけでそれが分かれば楽勝です。

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これを緩和する為なのか、途中途中ピンボールとかシューティングとかメインストーリーでミニゲームを挟んで来るのも何だかなぁと。

特にシューティングはそのチープな感じや弾幕仕様で『ニーア オートマタ』のハッキングを彷彿とさせてちょっと拒否感を覚えてしまいました。ご丁寧にシナリオ上における理由付けも"ハッキング"…。

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まとめ

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正直、ソニックのオープン系作品第1作目と言うことで実験作と言う感じが否めません。

ですが、本作をベースにより磨いて行けばもっと面白くなる可能性は十分に感じることが出来ます。少々物足りない感はありましたが操作性は素晴らしく、今後のシリーズに期待を持てる一作としては十分な役割を果たした作品だと思います。

 

チャレンジ精神そのものは否定のしようが無く、これからのソニックシリーズの新たな可能性を見たいって人にはお勧めです。