2022年1〜2月鑑賞映画一部ピックアップレビュー

Twitterのモーメントの方で今年観た各映画のレビューは簡潔に纏めてるんですが、今回の記事ではその中でも一部をピックアップしてより深掘りしたいと思います。

 

今回の記事はどのレビューもネタバレ有りなので注意。

以下のリストで赤字表記の映画をレビューします。

2022年1〜2月の間に鑑賞した映画一覧

 

以下、レビュー。

スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム

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まずこれです。一番最初に観たボスベイビーは去年公開だったので、実質今年の一発目ですね。

MCUフェーズ4第4作目、MCUにおけるスパイダーマンの『ホームシリーズ』三部作の完結を描く物語。

 

正直、今年観た映画だと未だにこれがダントツの一番かな。

これはもう、僕の様なヘヴィなアメコミ映画好きやスパイダーマンシリーズの大ファンでないと今作の重みは測れないと思います。

 

今でも正直信じられないと言うか、よくこんな企画実現したなと。

スパイダーマン』『アメイジングスパイダーマン』『ホームシリーズ』の三大スパイダーマン揃い踏みですよ。トビー・マグワイアアンドリュー・ガーフィールドトム・ホランド三大ピーター揃い踏みですよ。

ガーフィールドマグワイアがそれぞれ出て来た時の劇場のどよめきは多分一生忘れません。僕自身も声を抑えるのに必死でしたから。正直、何度かマジで泣きました。

 

会社や権利の垣根を超えて夢のクロスオーバーを実現出来たことも勿論凄いんですが、ただのクロスオーバーに留まらないのがこの映画の凄い所でした。

 

まず"グリーンゴブリン"です。

今作のスパイダーマンヴィランは、サム・ライミ版とアメイジングシリーズのナンバリングからそれぞれ代表で一人ずつ。ノーマンのグリーンゴブリンがライミ版1作目代表で出てるんですが、やっぱこいつだけは数いたヴィランの中でも圧倒的に別格だと再認識させられました。

 

もう正に"マルチバース・オブ・マッドネス"が服着て歩いてる様な極悪非道っぷり。

MCU世界のメイおばさんを葬り去るわ、落下するMJを助けようとしたトムホピーターを横から妨害するわ、そのやりたい放題っぷりは他作品のゲストヴィランの枠を軽く超えてたと思います。

トムホに何度殴られても全く効かず笑ってるシーンなんか劇場で見てて恐怖すら感じましたよ。

 

もうハッキリと、これはウィレム・デフォーの怪演の賜物でしょうね。表情作りからアクションから何から何まで全く衰えてない所か、より進化してるってどう言うことよ…。

ライミ版1作目はもう20年前で、トムホってこの頃まだ5歳くらいですよ。

20年前のヴィランが一切劣化せず復活して、現行のヒーローと鑑賞者に深いトラウマを植え付けに来るって最早新手のホラーでしょうこれは。

 

正直今作のデフォーは、今年のアカデミー助演男優賞にノミネートされてもおかしくないレベルだと思いました。

今作が単なるクロスオーバーを超えた大きな要因の一つに、間違いなくライミ版1作目の世界から現れたグリーンゴブリンはあると思います。

 

それから、「三人のスパイダーマンが揃ったらやって欲しいこと」を全部やったと言うのも大きなポイント。

例えばネッドが「ピーター」と呼んで三人全員が反応するシーン、マグワイアだけ普通に手首から蜘蛛の糸を出すことにガーフィールドとトムホが驚くシーンなど。

これは『スパイダーバース』でもありましたけど、メイおばさんを殺されて心の折れたトムホピーターに「あの台詞」で励まして寄り添ってくれるスパイダーマン二人のシーンも凄く良かったです。

 

あとこれはもうファンが今作を語る上で絶対欠かせないと思うんですけど、落下するMJをガーフィールドピーターが助けに行くシーン。

あれは反則でしょう、本当に。アメイジング2におけるグウェン衝撃の死を知ってたらあのシーンで泣かないファンはいないでしょう。

この言葉が正しいのか分かりませんが、ガーフィールドピーターが大切な人の死に対し、世界を超えて漸く意味を与えることが出来たアメコミ映画史に残る最高の名シーンでした。

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…とまあ、そろそろ長くなって来たのでこの辺で止めにしますが今作の良い所を挙げるとファンとしては本当にキリが無い限りでして。

単なるお祭りを超えた、間違いなく2022年トップクラスの一作だったと思います。最後にトムホピーターが独りぼっちのスパイダーマンとして生きて行くことになるのも、切ないけどスパイダーマンらしくて良かったです。

 

ファンサービスにも溢れ、アメコミ映画及びスパイダーマンのファンに向けた正にファンに向けた祝福の様な映画でした。

DEEMO サクラノオト

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次はこれ。スマホやSwichでプレイ出来る人気音ゲー『DEEMO』のアニメ映画作品。

これ、自分は観る直前に予習の為に予め原作をスマホでプレイしたんですがこの判断はちょっと功罪両方ありましたね。

 

まず物語が原作とほぼ据え置きであること。当たり前ですけどね。

ただ去年の『映画大好きポンポさん』の様に原作を読んでても切り口が違って良い意味で別物として楽しめる様には出来ておらず、あくまで原作の物語を映画の尺に無難に纏めたという感じでした。

原作はもう9年前の古いゲームなので、今作はあくまでも古参プレイヤーが懐かしさで観るのを主に狙ってるのかなと。

 

なので、僕の場合ネタバレ記憶も新鮮なままで全く同じ物語を映画で見た訳です。"DEEMO"や"仮面の女"の正体も初めから知ってたし、新鮮味が薄いままなのは少し残念でした。

それだけに、高校生として成長したアリスのパートは結構好きではあるんですが。

 

一方、原作を知ってるからこそ劇中で流れるBGMに「おおっ!」となる点は間違いなく良かったと思います。

特にやっぱり『ANiMA』ですよ、『ANiMA』。

プレイしてて一番燃えたのこれだったしファンの間でも屈指の人気曲の様なので、これが流れるシーンは滅茶苦茶興奮しました。

 

あとは今作でボイスが付いた主人公"アリス"の声ですね。もう反則級に兵器級に可愛いです。

竹達彩奈さんは『五等分の花嫁』の二乃しか知らないんですけど、キツめのツンデレのあっちとは違ってこっちはASMR級のロリボイス。改めて声優ってすげぇと思いました。

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あとは、3DCGのクオリティがちょっと安っぽく見えるのは気になったかな。ここはもう少し頑張って欲しかったかもしれないです。

 

物語を新鮮な気持ちで楽しみたかったって気持ちはありますが、そういう意味でも映画は原作有りでも予備知識無しで楽しむのが一番だという学びを得た作品でした。

まとめ

スパイダーマン一強。これに尽きます。

ファン補正掛かってるのもありますが、他の映画よりも頭十つくらい飛び抜けてます。

 

多分、よっぽどのことが無い限り今年のベスト2には最低でもスパイダーマンNWHが入ると思います。新年早々、事実上の一作目がいきなりこれって凄いですよ。

非現実的なファンの妄想にプロが本気で取り組むとこんな物が出来るのだと、改めて創作の世界の素晴らしさを感じることが出来ました。

 

今年は大本命の新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』があるんですが、正直今作の衝撃と満足度を超えられるのかはちょっと心配です。

『魔女の家(2020)』レビュー

魔女の家(2020)

今回のレビューはこちら。

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"ふみー"氏による伝説的フリーホラーゲーム『魔女の家』のスマホ版リメイク。iPhoneAndroid持ちであれば無料でDL可能。

まさかのCSではないスマホですが、基本的に気になったゲームであれば当ブログはスマホゲーだろうと扱う方針です。

 

この度、ノーマル、トゥルー、ノーセーブ3種のエンディングを全て見て死の記憶を全て回収しました。

プレイ時間は多分合計6時間も無いです。初見さんが一周やるだけでも2〜3時間と少しその程度だと思います。

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以下、レビュー。

一部過激なスクショがあるのでご注意ください。

良かった所

綺麗に作り直されたグラフィック

このゲーム、自分は原作のフリゲー版を何年か前に一度プレイしました。

確か『RPGツクール』ですかね。あれで製作した作品なので、キャラ絵もフィールド上のキャラクターも全部ドット仕立てでした。 

 

リメイクに伴い、今作では全てのグラフィックが原作を下敷きにしてアニメ風に一から描き直されています。

この手のフリーホラゲーってほぼ例外なくドット絵だからこその独特の不気味さを孕んでる物なのですが、今作は原作の不気味さや雰囲気はそのままにキャラクターも可愛く綺麗にリメイク出来てると思います。

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魔女の家と言えば、あの手この手の理不尽な初見殺しトラップによる主人公"ヴィオラ"の豪快な死に芸も非常に有名です。

こちらもやはり妥協なく描き直されています。原作は二頭身だったけど今作は三頭身寄りだしグロも変わらず容赦無いので、絵的にも印象深く残りやすいかもしれません。

 

また、そんなヴィオラの作中での死に模様が"死の記憶"として死ぬ度にギャラリーに記録されて行きます。種類は全34種類。

ナイフ刺されたり、首がもげたり、潰されて圧死したり、溺死したり。やり込みたい方は積極的にヴィオラを殺しまくりましょう。

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ユーザーライクなシステムの導入

道中で頻繁にすれ違う黒猫に話しかけると、その都度セーブが出来ます。

この黒猫を全部スルーして最初から最後まで駆け抜ける(つまりノーセーブクリア)と特殊EDとなるんですが、これが原作だと中々鬼畜なやり込みだったと記憶しています。何せ、クリア出来なければ当然最初からやり直しですからね。

 

ですが、本作では"リスタート“と言うシステムでその辺を達成するのが滅茶苦茶緩くなってると感じました。

例えば死にポイントで死ぬとそこにエンカウントするすぐ直前からリスタートとなり、セーブした判定にならないまま再開出来ます。これにより劇的にノーセーブクリアの難易度が下がってます。

原作の一発勝負がどうしても無理と言う方は、お手頃ノーセーブエンドの為にDLしてもいいのではないでしょうか。

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まあ、怪しい日本語の中華ゲー広告強制視聴というハンデはありますが…。

謎解きに詰まったり敵の対処が分からなくて先に進めない場合は、これまた広告必視ですが細かくヒントを貰えたりします。

 

それから、四倍速モードってのも備わってます。ヴィオラの歩行速度と敵の移動速度が四倍速のモードです。

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別に高難易度って訳では無いです。一度クリアすれば意外と行けます。

フリーホラゲーって、これに限らず道中の仕掛けや謎解きのタネが分かってれば大体1時間未満でクリア出来ますから。未回収の死の記憶回収や、ノーセーブクリアを手っ取り早く済ませるにはかなり有難いモードでした。

衝撃的なストーリー

魔女の家と言えばこれです。原作版から据え置きではありますが、誰がレビューするにせよ魔女の家の評価点でこれを入れないのはまずあり得ないかと思います。

 

エンディングはノーマル、トゥルー、ノーセーブの三つ。

トゥルーの補完的な内容のノーセーブはともかく、ノーマルで満足せずトゥルーまでは必ず見ましょう。そうしないと物語の全貌が全く理解出来ません。

幸いにも分岐直前で最終セーブが出来る親切仕様なので、苦ではない筈です。

 

類似の作品を述べるならフランク・ダラボン監督の映画『ミスト』でしょうか。内容の類似とかそう言う意味ではなく精神的な意味で。

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トゥルーまで見た上でのあの度肝を抜かれる大どんでん返しのインパクトと、暫く動けなくなる程の後味の悪さは間違いなくあの映画に匹敵すると思います。今やり直しても本当に強烈でした。

 

こればっかりはネタバレは一切出来ないので、実際にプレイしてから味わって欲しいです。怖いもの見たさであれば魔女の家のシナリオは絶対に裏切らないと保証出来ます。

今作で最もホラーなのは道中の初見殺しやグロではなく、トラウマ必至のこの超胸糞ストーリーです。

気になった所

操作性はかなり難がある

これ今作に限らず、この手の見下ろしフィールド移動型スマホタイトルに共通する問題な気がしました。

移動は画面フリックとタッチなので、表示画面と操作盤が一致してるととにかく画面が見にくいのです。

 

フリック操作なので直感的に動かせるかと言われると、意外とそれもし辛い。結構暴発が多いです。

本作はいきなり出て来た敵から逃げるとかそうシチュがかなり多いので、操作が思うように行かずストレスが溜まるってことが良くありました。

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慣れれば何とかなりはしますけどね。

ただやっぱ、こう言うゲームとスマホ操作の本質的な相性の悪さはどうしても感じてしまう所です。

まとめ

操作性の悪さは気になる所ですが、それを抜きにすれば原作を忠実にリメイクし誰でも楽に完全クリア可能に配慮された良リメイクでした。

10年くらい前に流行っていたフリーのホラゲーとしては『Ib』『青鬼』『ゆめにっき』と並んで金字塔的作品として知られる名作なので、知らないという方は手頃にプレイ出来る今作を手に取っては如何でしょうか。

 

また、スクショ見れば分かりますがゲーム中は頻繁に広告が上下に表示されます。

これは490円のゲーム内課金で消せるので、どうしても気になるって方はちゃんとお金を払いましょう。

『ファイナルファンタジー7リメイク』レビュー

ファイナルファンタジー7リメイク

今回レビューするのはコチラ。

早いものでもう2年前のゲームなんですねぇ。

ゲームの歴史を変えた作品として名高い、スクエニの名作RPGファイナルファンタジー7』のフルリメイクです。

 

結構前にもうクリアしてはいたんですが、個人的に今までプレイしたゲームの中でもかなりお気に入りの部類に入るので特別にレビュー用で二週目をやって来ました。

 

この度、なんでも屋エストを全クリアし、ミュージックディスクもコンプリートした上で、ストーリーをクリア

ここまでのプレイ時間は約34時間

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以下、レビュー。

良かった所

圧倒的な作り込みのミッドガ

FF7リメイクとありますが、実際には原作の序章に当たる"ミッドガル編"までしかリメイクされていません。

リメイクなのに分割シリーズにすることに批判の声もあったみたいですが、実際にプレイすると結果的にこの判断は大正解に思えました。

 

スマブラのステージにも採用されている様に、今作の主な舞台となるミッドガルはFF7という作品を象徴する都市です。クラウドと並びFF7の顔であるがゆえに、その作り込みは妥協すまいと判断したからこその分割なのだとプレイしてて強く感じることが出来ると思います。

現代技術で街並みが作り直されてるのでそのクオリティに驚くのは勿論ですが、ミッドガル住民であるモブキャラの作り込みも凄まじくてこれは本当に驚かされました。すれ違いざまの住民同士の会話はストーリーの進行度によって変化するし、クラウドの評判によっては噂が街を越えて広まって口コミされたりもします。

 

今作のミッドガルはまるで本物の街を歩いているかの様なディティールの細かさや住民の生活感で、RPGの大御所スクエニの本気を垣間見たと感じました。

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後半になると、今作で行ける範囲の街は全てシームレスに繋がっていると発覚します。

これをオープンワールドと言えるのかどうかは意見が分かれる所でしょうけど、エリア制で移動してた街一つ一つが一気に繋がった時のあの感じは本当に感動しましたね。

 

また本編中では"なんでも屋エスト"と言うサブクエストが複数解禁されますが、依頼主との掛け合いはなんと全てフルボイスかつムービー付き。

固有のデザインやモーションを貰ってるサブクエ限定のエネミーも多くて、クエストの量は多くないものの一つ一つの質が凄いのでプレイしてて作業感は一切ありませんでした。

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分割で尚且つ発表から発売までかなり長い時間を掛けた以上それ相応の作り込みを期待された今作ですが、RPGで最も重要な要素の一つとなる世界観に関してはその期待に非常に高いレベルで応え得るのではないでしょうか。

ただ歩いているだけでも楽しいし、サブクエも消化するとどれだけスクエニがこのゲームを心から本気で作っていたのかより理解することが出来ましたね。

かなり歯応えのある戦闘難易度

戦闘は基本的にはアクションRPGですが、今作の戦闘はターン制のコマンドバトル的な要素も取り入れた独特なものです。

ただ通常攻撃で攻めるだけではなく、マテリア編成や武器強化なども考えて魔法やアビリティを駆使し、尚且つ自分だけでなく仲間のステータス状況まで常に気を配らなければいけません。

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また、今作はRPG初心者にとっては結構難易度高いと思います。後半からは部位や弱点を狙って堅実に戦わないと苦戦必至のボスキャラが多く、ゴリ押しで挑むと(難易度ノーマル以上だと)まず勝てません。

道中の雑魚も"スモッグファクト"みたいにいやらしく体力を削って来る敵や、"サハギン"みたいに単体でもシンプルに強いのに集団で襲って来る敵もいたりして適当にやってるとゴリゴリ体力を削られます。

魔法も発動準備中に攻撃されるとキャンセル食らって魔法ゲージ(MP)だけが減るので、位置取りなんかも非常に大事。

 

その洗礼は一番最初のボスである"ガードスコーピオン"で受けることになると思います。適当にやっててもエラいことになるよと、最序盤も最序盤から教えられる訳です。

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この前にやったキンハ3が結構ヌルかったので、色んな要素を駆使して終始緊張感が途切れずに遊べた今作の戦闘は個人的には非常に歯応えがあって楽しめました。

 

また、単に歯応えがあるだけではなく戦闘中の演出も秀逸です。

高クオリティな音楽で奮い立つのはまず勿論ですが、中にはキャラクターの熱い実況を聞きながら展開される戦闘もあるので非常に燃えます。

キャラの魅力を表現することに全振りしたストーリー

作中で取り扱うのは原作のミッドガル編だけなので、それに合わせて物語として取り扱うストーリーもミッドガル編のみ。「基本的には」原作から逸脱はしません。

 

FF7の序章をより長尺にした物なので話はそこまで進まないんですが、それだけにキャラの掛け合いや描写にかなり力を注いだストーリーになっています。

クラウドのそっけないながらも何だかんだノリの良いキャラやバレットの思想の極端さ、ティファとエアリスの意気投合など、映像で見られる分、より魅力的に描写されていたと思います。

 

メインのクラウド達は勿論、原作ではそこまで活躍しなかったビッグス、ウェッジ、ジェシーは出番が増量された分よりキャラが立ってたのでは無いかと。

特にジェシーのグイグイ行く感じは良かったですね。原作ではそうでも無かった彼女も今作では第三のヒロインとも呼べる程に動くので、NPCの中でも印象に残り易いキャラだと思います。

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一方で道中はネタ要素だらけでもあり、中でも中盤辺りの"ウォールマーケット"なんかは爆笑必至のネタの宝庫。

原作でも女装クラウドと言う非常に有名なネタが生まれた街でもありますが、何を血迷ったのかネタ特盛で演出が超パワーアップしてます。

ここに至るまでの道中もそうですがこれは是非ともゲーム中で見て欲しいです。

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気になった所

FF7のリメイク」ではない

何を言ってるんだと思われるかもしれませんが、原作の物語を把握してる上でプレイした方は分かると思います。これは別に、FF7原作の序章部分しかリメイクしてないからとかそういう意味ではないです。

 

タイトルにはリメイクとありますがその実態は新解釈FF7とでも言うべきもので原作の物語とは似て非なる別物です。特に最終盤は、FF7の物語としては輪にかけて明後日の方向へ進んで行きます。

エヴァで例えるなら、原作がテレビアニメ版とすればこの作品は新劇エヴァ。今作は正に新劇第一章『エヴァ序』の立ち位置にある訳です。

原作との相違はネタバレにならない範囲で代表的な例を挙げるなら、「セフィロスが序盤から頻繁にクラウドの幻覚として出て来る」など。

 

特に今作特有の神羅カンパニーでもセフィロスでも無いとある敵勢力がいて、こいつが物語を進めると中々に滅茶苦茶な奴であることが分かります。

ゆえに、原作に思い入れの強い方は今作の実態を受け入れられるかどうかで評価はかなり変わって来ると思います。自分はこれはこれでと受け入れられましたけどね。

まとめ

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原作のファンは物語面で少々思う所出ても仕方ない面はある気がしますがそれを抜きにしても全ての要素のレベルが高い、一つのRPGとして非常に良く出来たゲームだと思います。

やっぱりここまで世界を表現出来るスクエニの技量とRPGに対する熱意は凄いと感じましたし、FF7を本当に特別な作品として見てるからこそここまで作り込んだのがヒシヒシと伝わりました。

 

分作だからと言って今作をスルーして完結を座して待つのはとても勿体無いし、興味があるなら手に取ってみてもまず裏切られることは無いかと思います。

二週目でクリアしても、次が出れば絶対買いたいと思えるほどに相変わらず面白いゲームでした。

『映画「五等分の花嫁」〜君と過ごした五つの思い出〜』レビュー

映画「五等分の花嫁」〜君と過ごした五つの思い出〜

前も記事にしましたが、最近このゲームを買ってクリアしました。

五つ子姉妹が一人の同じ男子に恋をしてしまう、少年マガジンの大ヒットラブコメ漫画『五等分の花嫁(以下、ごと嫁)』のADVゲームです。

最近原作を読み終わって映画を観に行ったら見事にハマったので、そのまま勢いで買ってしまいました。

 

この度、公式に提示されてる15種類のエンディングを全て見てCGを全回収しました。

プレイ時間はゲーム中に記録されてないので不明。多分、20時間弱くらいかな?そんなに掛かってないと思います。

 

この記事の方針はどうしようかと少し悩んだんですが、原作の核心的なネタバレは無しの方向で行きたいと思います。姉妹の内、誰が正史の勝ちヒロインなのかについては一切言及しません。

また、作中ではスクショ禁止措置を取られてる箇所が多いのでその範囲でのスクショは一切載せません。ご了承ください。

 

以下、レビュー。

良かった所

全ての姉妹がそれぞれ等しく主人公との幸せを掴む、五つの世界(ルート)

ごと嫁と言う作品はその性質上、メインヒロインの内4/5が終盤で負けヒロイン化します。

主人公の"上杉風太郎"はちゃんと五人の中から一人を選んで結婚まで描写されますし、誰を選んだのか適当にボカされたりハーレムエンドなんてことも無いです。

 

姉妹の全員が全員、望み通りの幸せを得ることは叶わない。

ごと嫁の面白い所と切ない所は、その点に集約されています。

 

ゆえに、原作読了後か或いは映画鑑賞後、どうしてもこう思う人はいた筈です。「自分の推しがフラれてしまった…」「他の姉妹が選ばれてたらどうなってたんだろう?」。

中には「何故この子なんだ!納得出来ない!」「自分の推しの方が相応しいに決まってる!」と、気持ちが昂る余り憤ってしまった人もいたかもしれません。

 

ですが今作はそんなファン達のモヤモヤや疑問に、公式製品として原作の世界観を崩さず完璧な形で応えてくれるゲームとなっています。

 

プレイヤーはなんと物語を開始する前に風太郎の告白相手を姉妹の中から一人、自由に選ぶことが出来るのです。

そしてそのまま風太郎が自分の意思でヒロインを選ぶ直前の"学園祭編"終盤へと場面は移行し、それぞれのルートで物語が始まります。

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勿論、この中には原作で風太郎に告白された正史の勝ちヒロインもいます。

でも今作はそう言うのは置いといて、全ての姉妹がそれぞれの世界で等しく風太郎との幸せを掴む真の意味での「五等分の花嫁」。

原作とは当然パラレル。だけど、他の姉妹達が風太郎と結ばれる姿を公式作品で見たい、推しの想いが報われる所を見たいと言う方々のニーズにはガッチリ嵌まっていると思います。

 

一つの作品で複数ヒロイン全てに主人公と結ばれる世界を平等に与えること。これは間違いなく、漫画やアニメでは成し得ないゲームだからこそ出来た芸当と言えるでしょう。

ファンの見たい物を一切出し惜しみせずに書き切った脚本

ルートを選んだ後は本編の物語に突入します。

本作の物語は、原作において言及された高校の卒業旅行を題材としたもの。風太郎と五つ子姉妹、風太郎の妹の"上杉らいは"の七人で沖縄旅行へと向かうことになります。

 

そして主人公(プレイヤー)となる風太郎は、この旅行で一つの決心をします。

旅行中で「自分が選んだ恋人に男を見せる(自分からキスをする)」、と。

要は「旅先で姉妹の内誰かと風太郎が恋人同士としてイチャイチャする」ってのが全ルートにおける根幹な訳ですが、正史の勝ちヒロインも含めてこれこそ正にファンが何よりも見たかったものではないでしょうか。

 

顔が同じ姉妹それぞれへ非常に魅力的な個性が与えられているのがごと嫁ですが、それゆえに全てのルートで根幹は同じでありながらその切り口は全く異なります。

沖縄旅行のスポット巡り順もルートによって異なるので、飽きが来ません。

 

思いが叶って浮かれてる長女・一花、暴走気味な程にデレデレの次女・二乃、恋人同士だからこその不安を抱え始めた三女・三玖、相変わらず友達みたいな距離感で接して来る四女・四葉、生真面目が祟って不器用な恋愛をしてしまう末女・五月。不器用ながらも自分の思いと恋人に真剣に向き合おうとする風太郎。

そしてそんな二人を時に羨ましそうに、時に本気で心配しながら見守ってくれたり、真剣にサポートしてくれたりする姉妹達とらいは。

全てのルートでキャラのイメージを崩さず、ラブラブありトラブルあり友情あり家族愛ありの濃密な脚本を一切手抜きせずに書き切ったのは本当に見事だと思いました。

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沖縄旅行だけでなく、姉妹それぞれに学園祭編での告白シーンやラストの結婚まで見せてくれるのは流石に驚きましたね。何となく、ここは原作のイメージを尊重してカットされる様な気がしてたので。

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とにかく今作の脚本に、ファン向けタイトルとして手抜きは一切ありません。ファンが見たいものは余さず全て見せてくれます。

五人のヒロイン全てに風太郎との幸せをと言う気概が伝わりますし、このゲームを通して推しのファンに幸せな気持ちになって欲しいと言う製作側の思いやりを強く感じることが出来ました。

 

また、個別ルートを全てクリアすれば「隠しルート」が解放されます。

こちらはifならではの言うなれば『裏・五等分の花嫁』。非常に攻めた脚本となっているので、気になる方は是非。

プレイのモチベーションを刺激するCG

この手のゲームにおいては大体がそうだと思うんですが、物語中に挿入されるCGはどれも凄く良かったです。

特に最初の告白シーンの4/5は原作では見られません。逆を言えば、これらはファンメイドの二次創作くらいでしかお目にかかることが出来ないものだったと思います。

いずれのシーンも、本当にこれが公式で実現されるなんてと開始直後から感慨深く感じることが出来るのではないでしょうか。

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そして、いずれの物語も風太郎の最終目標はヒロインとのキス。御褒美に風太郎とヒロインのキスCGも挿入されます。

本当にキスします。隠してません。これは本当に、ちゃんとゲームをプレイしてから見て欲しいですね。

中でも個人的に一花ルートのキスは特に良かったです。前の展開からキスに至るまで、尊いと言うよりも風太郎がカッコ良くて痺れました。

 

他にも適当にやってるだけでは手に入らない隠しCGもそれなりに豊富で、やり込み要素として楽しめる様になっています。

気になった所

ゲーム性はほぼ皆無に等しい

ジャンルはADVなのだけど、実質的には一本道のシナリオを淡々と読み進める殆どサウンドノベルと言っていいです。

会話の最中に風太郎の台詞で三択の選択肢が何度も出て来るのだけど、会話の流れが多少変わるだけで大筋の物語には一切影響なし。

選択肢次第で"風太郎ポイント"なる物が溜まってグッド/ノーマルエンドで分岐するけど、選択肢の難易度は低いしポイントが上がることはあっても下がる様な選択肢は無いのでノーマル行く方が逆に難易度高いです。バックログジャンプで選び直しも出来ますしね。

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オートモードで会話を流すと、ゲームってよりは殆どOVAでも見てる感じでした。ゆえに、今作にゲーム的なものを求めてると肩透かし食らうと思います。

 

でも、このゲームはこれで良かったと思います。

やっぱり推しが風太郎と幸せになる物語やifを見る目的で買う人が殆どだと思うので、余計なストレス要素を一切廃してるのは潔いとさえ言えるのではないかと。

まとめ

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原作を尊重したいと言う方には邪道と言える作品であっても、今作で救われるごと嫁ファンは数多くいるのではないのでしょうか。ファンメイドの二次創作より、ifとは言え公式でこの世界をお見せして頂けることは重みがあると思います。

 

自分の推しキャラは残念ながら原作では選ばれなかったので、彼女のルートへ進むとやっぱり分かってても泣いてしまいましたね。

勿論原作の展開も好き(だから映画も観に行った)なんですが、それは別として好きなキャラが風太郎と結ばれる世界を公式製品で見られたことが本当に嬉しかったし心が洗われました。

 

自分はこのゲームのお陰でごと嫁というコンテンツを500%堪能して気持ちよく卒業することが出来たし、原作ではそこまで思い入れが無かったヒロインがプレイを通して初めて好きになれた、なんてことも起きました。

 

これ一本でファンが見たい「if」が全部詰まった、ファン必携の正にシン・五等分の花嫁。

ゲーム性は薄く難易度が低いからこそ、普段全くゲームをやらないと言う方にもお勧め出来るお手本の様なファン向けゲームだと思いました。

五等分の花嫁

五等分の花嫁のゲーム買いました。

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こう言う漫画の版権モノ買わないんですけどね普段。

最近見に行った映画が非常に面白かったのと、他のヒロインに告白したifルート選べるってことで衝動買い。

この手のテキスト進行型のADVって初めてなんですけど、まず三玖ルートをクリアして概ねゲームの感じは掴めました。

正直、全ルートクリアどころかトロコンまでもさして時間はかからなさそうです。完全にファン向けって感じですが、原作好きなら十分面白いと思います。

レビュー記事も上げる予定ですが、ネタバレ配慮の為に2週間後になると思います。

『バブル』レビュー

バブル

今回レビューする映画はこちら。

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映画バブル。オリジナルアニメ映画ですが

監督に『進撃の巨人荒木哲郎

制作に同じく『進撃の巨人WIT STUDIO

脚本に『魔法少女まどか☆マギカ虚淵玄

音楽に『ガンダムUC』その他澤野弘之

キャラクターデザインに『デスノート小畑健

プロデューサーに『君の名は。川村元気

と、アニメ界のオールスターなメンツで製作した超大作。

Netflixだと劇場公開に先んじて配信され、ネトフリ組はいち早く見ることが出来ました。

個人的にも結構期待してた作品だったので、レビューしたいと思います。

以下、レビュー。

良かった所

進撃スタッフ渾身のパルクール作画

今作の一番のポイントはこれです。

今作は"降泡現象"と言う未知の力を持った謎の泡の飛来で重力が崩壊し、インフラがめちゃくちゃになった東京が舞台。

そこで岩や弾性の強い泡など色んな物が浮いてる空間でパルクール勝負をする若者達が主役なんですが、このパルクールの作画が兎に角気合い入ってて見所満載です。

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新海作品的な美麗な作画を背景に、『進撃の巨人』で見せた立体機動を彷彿とさせるダイナミックな三次元アクションは本当に圧巻で劇場で観ると爽快感が倍増しでした。

アニメ映画ではストーリーと同じくらい作画も大事だと思ってるので、ここに関してはもう文句なく100点満点をあげてもいいですね。

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退廃的なのに爽やかな雰囲気を醸してる世界観もあって、初めから終わりまでパルクールを魅せる為の映画と言っても過言では無い今作。

パルクール中に流れる澤野節全開な疾走感のある楽曲もあって、これだけでもお金を払って劇場で観る価値は十分にあると思います。

ヒロインは個人的には可愛いと思う

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今作のヒロイン、"ウタ"は個人的には結構好きでした。

上の画像の通り非常に奇抜な服を着てる訳ですが、彼女の出生を考えれば常人離れした服なのもそんなに違和感は無いかなと個人的には。

声はTikTokの人気歌い手の方が担当されていて、要はタレント声優。なので演技の方はハッキリ言って拙いのだけど、キャラの設定上作中では口数が少ないのでそんなに気にはなりませんでした。

寧ろエンディングテーマは彼女が歌ってるし、声が同じなので良い感じの余韻に浸れて彼女で良かったと寧ろ今は思ってるかもしれません。

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純粋無垢で見てて不愉快になる様な描写は無いし、表情が一々可愛いのが良かったですね。中盤で事件が起きてワナワナしてるのも可愛かったです。

パルクールの即戦力になる程身体能力が高く、カッコ良くてダイナミックな動きが出来るのも個人的にはギャップがあって良かったと思います。

『人魚姫』のプロットを踏襲した切ないボーイミーツガール

パルクールの実力は一流なのに仲間へは誰にも心を開かない青年"ヒビキ"と、とある出来事がきっかけでヒビキと出会った不思議な少女"ウタ"。二人の出会いをきっかけに、壊れた世界の謎が解き明かされて行く。

と、大まかなあらすじを語った通りで分かると思うんですが本作の物語はジャンルとしては「ボーイミーツガール」。『君の名は。』が流行ってから、こう言うアニメ映画作品増えましたよね。

本作はボーイミーツガールでも、有名な童話『人魚姫』の流れを踏襲していて、作中でもそれが言及されます。

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詳しくは語りませんが、その通り切ない王道のボーイミーツガールで大筋の脚本では結構うるっと来ました。

終盤の演出も幻想的かつ秀逸で良かったし、個人的にはウタが好きだっただけに余韻もあって印象的な脚本に仕上がってたと思います。

気になった所

枝葉の部分が足りないストーリー

映画の尺では脚本の細やかな設定を語り切れてないなーと感じました。敵キャラは最後まで正体がよく分からなかったし、物語の根幹となる部分も映画だけだと想像にお任せという感じでフワッとしか分からない。

多分資料集や小説読めば色々分かると思うんだけど、映画なのだから劇中で最低限の説明でも良いからして欲しかった気がします。

でも、やっぱ世界観は凄く綺麗だし基本的には切ないながら無駄の無いさっぱりした王道でとても見易い作品だと思います。余りその辺の細かい部分を気にし過ぎても仕方ないのかもしれませんね。

まとめ

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各分野の大物クリエイター達を集め、作画・音楽・キャラ・脚本共にそのネームバリューに恥じないクオリティは間違いなくあると思います。特にパルクールの作画は素晴らしいので、敢えて劇場でお金払って観て良かったと思いました。

しかし、ストーリーの大筋は良くても映画の中で語り切れてない部分がちょっと多いのは気になったかな。ここさえどうにか出来ていれば、間違いなく2022年の最高傑作になれてただけに少し勿体無いと感じました。

個人的には今年観たアニメ映画の中でも今の所一番面白かったです。ネトフリよりも劇場で観た方が絶対良いので、気になってる方は今の内だと思います。