Twitterのモーメントの方で今年観た各映画のレビューは簡潔に纏めてるんですが、今回の記事ではその中でも一部をピックアップしてより深掘りしたいと思います。
今回の記事はどのレビューもネタバレ有りなので注意。
以下のリストで赤字表記の映画をレビューします。
2022年1〜2月の間に鑑賞した映画一覧
以下、レビュー。
スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム
まずこれです。一番最初に観たボスベイビーは去年公開だったので、実質今年の一発目ですね。
MCUフェーズ4第4作目、MCUにおけるスパイダーマンの『ホームシリーズ』三部作の完結を描く物語。
正直、今年観た映画だと未だにこれがダントツの一番かな。
これはもう、僕の様なヘヴィなアメコミ映画好きやスパイダーマンシリーズの大ファンでないと今作の重みは測れないと思います。
今でも正直信じられないと言うか、よくこんな企画実現したなと。
『スパイダーマン』『アメイジング・スパイダーマン』『ホームシリーズ』の三大スパイダーマン揃い踏みですよ。トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールド、トム・ホランドの三大ピーター揃い踏みですよ。
ガーフィールド、マグワイアがそれぞれ出て来た時の劇場のどよめきは多分一生忘れません。僕自身も声を抑えるのに必死でしたから。正直、何度かマジで泣きました。
会社や権利の垣根を超えて夢のクロスオーバーを実現出来たことも勿論凄いんですが、ただのクロスオーバーに留まらないのがこの映画の凄い所でした。
まず"グリーンゴブリン"です。
今作のスパイダーマンのヴィランは、サム・ライミ版とアメイジングシリーズのナンバリングからそれぞれ代表で一人ずつ。ノーマンのグリーンゴブリンがライミ版1作目代表で出てるんですが、やっぱこいつだけは数いたヴィランの中でも圧倒的に別格だと再認識させられました。
もう正に"マルチバース・オブ・マッドネス"が服着て歩いてる様な極悪非道っぷり。
MCU世界のメイおばさんを葬り去るわ、落下するMJを助けようとしたトムホピーターを横から妨害するわ、そのやりたい放題っぷりは他作品のゲストヴィランの枠を軽く超えてたと思います。
トムホに何度殴られても全く効かず笑ってるシーンなんか劇場で見てて恐怖すら感じましたよ。
もうハッキリと、これはウィレム・デフォーの怪演の賜物でしょうね。表情作りからアクションから何から何まで全く衰えてない所か、より進化してるってどう言うことよ…。
ライミ版1作目はもう20年前で、トムホってこの頃まだ5歳くらいですよ。
20年前のヴィランが一切劣化せず復活して、現行のヒーローと鑑賞者に深いトラウマを植え付けに来るって最早新手のホラーでしょうこれは。
正直今作のデフォーは、今年のアカデミー助演男優賞にノミネートされてもおかしくないレベルだと思いました。
今作が単なるクロスオーバーを超えた大きな要因の一つに、間違いなくライミ版1作目の世界から現れたグリーンゴブリンはあると思います。
それから、「三人のスパイダーマンが揃ったらやって欲しいこと」を全部やったと言うのも大きなポイント。
例えばネッドが「ピーター」と呼んで三人全員が反応するシーン、マグワイアだけ普通に手首から蜘蛛の糸を出すことにガーフィールドとトムホが驚くシーンなど。
これは『スパイダーバース』でもありましたけど、メイおばさんを殺されて心の折れたトムホピーターに「あの台詞」で励まして寄り添ってくれるスパイダーマン二人のシーンも凄く良かったです。
あとこれはもうファンが今作を語る上で絶対欠かせないと思うんですけど、落下するMJをガーフィールドピーターが助けに行くシーン。
あれは反則でしょう、本当に。アメイジング2におけるグウェン衝撃の死を知ってたらあのシーンで泣かないファンはいないでしょう。
この言葉が正しいのか分かりませんが、ガーフィールドピーターが大切な人の死に対し、世界を超えて漸く意味を与えることが出来たアメコミ映画史に残る最高の名シーンでした。
…とまあ、そろそろ長くなって来たのでこの辺で止めにしますが今作の良い所を挙げるとファンとしては本当にキリが無い限りでして。
単なるお祭りを超えた、間違いなく2022年トップクラスの一作だったと思います。最後にトムホピーターが独りぼっちのスパイダーマンとして生きて行くことになるのも、切ないけどスパイダーマンらしくて良かったです。
ファンサービスにも溢れ、アメコミ映画及びスパイダーマンのファンに向けた正にファンに向けた祝福の様な映画でした。
DEEMO サクラノオト
次はこれ。スマホやSwichでプレイ出来る人気音ゲー『DEEMO』のアニメ映画作品。
これ、自分は観る直前に予習の為に予め原作をスマホでプレイしたんですがこの判断はちょっと功罪両方ありましたね。
まず物語が原作とほぼ据え置きであること。当たり前ですけどね。
ただ去年の『映画大好きポンポさん』の様に原作を読んでても切り口が違って良い意味で別物として楽しめる様には出来ておらず、あくまで原作の物語を映画の尺に無難に纏めたという感じでした。
原作はもう9年前の古いゲームなので、今作はあくまでも古参プレイヤーが懐かしさで観るのを主に狙ってるのかなと。
なので、僕の場合ネタバレ記憶も新鮮なままで全く同じ物語を映画で見た訳です。"DEEMO"や"仮面の女"の正体も初めから知ってたし、新鮮味が薄いままなのは少し残念でした。
それだけに、高校生として成長したアリスのパートは結構好きではあるんですが。
一方、原作を知ってるからこそ劇中で流れるBGMに「おおっ!」となる点は間違いなく良かったと思います。
特にやっぱり『ANiMA』ですよ、『ANiMA』。
プレイしてて一番燃えたのこれだったしファンの間でも屈指の人気曲の様なので、これが流れるシーンは滅茶苦茶興奮しました。
あとは今作でボイスが付いた主人公"アリス"の声ですね。もう反則級に兵器級に可愛いです。
竹達彩奈さんは『五等分の花嫁』の二乃しか知らないんですけど、キツめのツンデレのあっちとは違ってこっちはASMR級のロリボイス。改めて声優ってすげぇと思いました。
あとは、3DCGのクオリティがちょっと安っぽく見えるのは気になったかな。ここはもう少し頑張って欲しかったかもしれないです。
物語を新鮮な気持ちで楽しみたかったって気持ちはありますが、そういう意味でも映画は原作有りでも予備知識無しで楽しむのが一番だという学びを得た作品でした。
まとめ
スパイダーマン一強。これに尽きます。
ファン補正掛かってるのもありますが、他の映画よりも頭十つくらい飛び抜けてます。
多分、よっぽどのことが無い限り今年のベスト2には最低でもスパイダーマンNWHが入ると思います。新年早々、事実上の一作目がいきなりこれって凄いですよ。
非現実的なファンの妄想にプロが本気で取り組むとこんな物が出来るのだと、改めて創作の世界の素晴らしさを感じることが出来ました。
今年は大本命の新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』があるんですが、正直今作の衝撃と満足度を超えられるのかはちょっと心配です。