2024年 映画レビュー

※全て劇場鑑賞

  • 01.PERFECT DAYS

淡々と過ぎる日常の中で見出す、ささやかな幸せ。

娯楽の選択肢が増え続ける現代だからこそ、こういう生活に憧れる。おじさんの日常をただ追うだけのストーリーに引き込まれる。

年齢を重ねれば重ねるほど味わい深くなりそうな心地よい「大人向け」の意欲作。

  • 02.ブラッディエスケープ 地獄の逃走劇

エスタブライフとは打って変わってハードボイルドで終始シリアス。逃がし屋の三人も出て来るけど、雰囲気が違い過ぎて他作品からのゲストキャラにしか見えなかった。

映像としては楽しかったけど、ストーリーはエスタブの突っ込みどころ満載感を普通に受け継いでてそこがちょっとなという感じ。

ウルラお前喋れるんかい…。

  • 03.アクアマン 失われた王国

色々あったメラ役のアンバー・ハードの出番が削られてるとか言われてたけど普通に活躍してた件。

前作に続いてハリウッドらしいリッチで楽しい、映像よし戦闘よしキャラよしの純粋娯楽映画!前作が傑作だったからハードル高くて心配だったけど全然杞憂だった。

ただラスボスはもうちょっと頑張ってほしかった。幾らなんでもあっけなさ過ぎるだろう…。

もう20年くらい前の作品なのに、戦闘シーンの迫力とキレは今でも全く見劣りしない。グラフィックは流石にFF7Rのが上に思えたけど、だからこそ映像技術の進化を感じられた。

ストーリーは薄めだけど、大好きなキャラ達が劇場スクリーンで画面狭しと暴れ回る姿に釘付けにされました。特にセフィロスが降臨してからはもう鳥肌立ちっぱなし!

遠征してまで観に行った甲斐は十分過ぎるほどありました!

  • 05.マダム・ウェブ

事前の評価が尋常じゃない程低いので身構えてたけど、言うてそこまで酷い作品とは…(ハードル下げてたからかもしれませんけど)。

個人的に、未来が見えるだけのただの人間がその対策だけでスーパーパワー持ちを追い詰めるってのは好きだった。いい意味でクソガキっぽい三人の女子も好き。

そういう要素は薄めなのに何故かミステリー、サスペンスと銘打って売り出したのが酷評の要因なんじゃなかろうか…。

テレビシリーズを全然知らない初見。

やっぱりガンダムだから映像の迫力が凄いのと、挿入歌の使い方が抜群に上手くてびっくり。ミリ知らな自分でも思わず挿入歌の流れるタイミングと勢いで鳥肌が立ってしまった。

ネットでネタにされた台詞以上に、敵の言葉に惑わされず毅然とした態度で立ち向かうラクスの勇ましさに惚れた。機会があればテレビシリーズも見てみたい。

ビジュアルやタイトルからは全然内容が想像出来なかったのだけど、思ったよりもずっと真剣で王道な音楽系の成り上がりもの。

異世界チート系なんかは食わず嫌いしてる面があるけど、転生者があの諸葛孔明なのでハイスペック超人な点に違和感はゼロで問題なく楽しめた。

総集編ではあるけど歌ものなので盛り上がる所はしっかり盛り上がるし、劇場との相性は抜群。一つの映画として綺麗に纏まってるので初見でも非常にオススメの作品。

世界観がコロナ禍中の現実世界を髣髴とさせる。なので原作は最近の作品なのかと思ったら、10年くらい前に連載開始で驚いた。原作者は相当な先見性がありますね。

主役二人は今をときめく人気アーティストで所謂タレント声優なのだけど、二人とも素人とは思えない程演技が上手です。個性も立ってるしプロとして全然やって行けるレベルに思いました。

何かと腑に落ちない点や謎が多く残されたので、後章での怒涛の伏線回収に期待!

あの原子爆弾を作り出した男の半生を描く。

色んなシーンでこみ上げるような怒りや悔しさが湧き上がって来るのは、やっぱり自分が日本人だからだろうか。観ていて感動ではない涙が滲み、映画を観る上で感じたことのない感情に支配されてしまった。

アメリカ視点で長崎と広島の出来事がどのように映っていたのか。それを知るという意味でも日本人として観る価値はあると自分は思う。

  • 10.変な家

序~中盤まではそれなり。後半はどうした?って感じだった。変な家じゃなくて変な村。

手放しで褒められる感じではないけど、大ヒットしてるのはホラーとしてもミステリーとしてもライト層が本気で怖がってトラウマにならない程度の丁度いい感じだからですかね。

佐藤二郎のキャラクターは割と好きでした。

  • 11.あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。

特攻隊を題材にしてるけど、恋愛系の感動ものとしては無難でプレーンな作り。

ベタ故に正直物足りない感じはあったけど、多感な頃に見れば特攻隊という重い題材も込みで心に残る作品になり得るんじゃないでしょうか。

キスとかハグとかそういう直接的なシーンが無いプラトニックなのは良かったと思います。

世界観を滅茶苦茶作り込んでるのは分かる。それだけに専門用語が多過ぎて話に着いて行くのが大変だった。

雰囲気と絵作りは最の高。大正時代にスチームパンクが融合してて尋常ならざるセンス。ずっとここにいたいと思った。

ハシゴで次に観たクラユカバと比べるとこっちの方がキャラはキャッチーな印象。

  • 13.クラユカバ

別にクラメルカガリと相互補完の関係とかではなく、雰囲気が同じなだけの別の作品。

ストーリーは抽象的でクラメルカガリより更に癖が強い。正直50%も理解出来てない気がするw

演出面だとこちらの方がやりたい事やってる感は感じられた。

  • 14.劇場版ブルーロック エピソード凪

原作があるので、元の面白さはそれなり。

ただ、スポーツアニメ映画にしては動きが少ない気がして新鮮味に欠ける。もう少し作画を頑張ってくれれば…。

演出の数々から、やっぱりこのブルーロックというコンテンツは所謂腐女子層が支えてるのだなと感じた。男の自分からしても凪はカッコよくて好きなんですけどね。

  • 15.トラペジウム

主人公の強烈なキャラクター性。ここまで利己的で人間臭い主人公は見た事がない。

最初に観た時はドン引きして嫌悪感を感じずにはいられなかったが、彼女の在り方を見て自分も身につまされる部分が多くあり…。結果的に評価が鑑賞後暫くして好転した異例の作品。

非常に人を選ぶものの、刺さる人には物凄く深くぶっ刺さる怪作。

物語はあんまり理解できなかったけど、VFXなどはとても良く出来ていたと思う。

凸凹コンビだった晴明とヒロマサが親友同士になるのが好きですね。片方は能力がないけどお互いに信頼して分かりえる関係というのは尊いです。

前章からの種明かし。前章で腑に落ちなかった部分の謎が解明され、物語は然るべき場所へと着地する。

おーん、なるほど。という感じ。色々モヤモヤする点は多いが、無難に面白い物語として纏まってたと思います。

小比類巻がめちゃくちゃカッコよくなっててビビった。個人的にデデデデで一番好きなキャラになりました。

全編を通してザ・王道のウマ娘。劇場ならではな迫力あるレース演出と音響に引き込まれる。

ただ個人的な感想を言わせてもらうと、テレビアニメと比較するとかなり少年漫画寄りの作風になってて若干コレジャナイを感じた。やっぱウマ娘はキャラが可愛い事ありきな気はするから萌え路線は振り切ってもよかった気がします。

そんな作風だからこそフジキセキ姉さん突然のドスケベ勝負服に度肝を抜かれry

  • 19.好きでも嫌いなあまのじゃく

多感な少年少女の出会いと心の機微をありのままに描く、いつものコロリド作品。

今作はヒット作をリサーチしてウケそうな要素を意識した感じがありますね。『すずめの戸締まり』と『千と千尋の神隠し』のハイブリッドという感じを受けました。

ただ終盤は余りにも説明が突飛ではありませんか?キングダムハーツを彷彿とさせられました。色々惜しい作品ですが主人公とヒロインは尊いと思ったのでヨシ!

  • 20.数分間のエールを

知らぬとは言わせないくらい新海誠監督の『言の葉の庭』。ヒロインのデザインも雪野先生そっくりである。

しかし単なるパクリではなく、あの作品の良い部分をちゃんと理解した上で上手になぞりクリエイター礼賛という独自のテーマに昇華。普通に何回か泣かされた。

個人的にはこういう作品を見たかったんだよ!に溢れた傑作。アニメ映画オタクは絶対見て欲しい。余りにも知名度が低いのが悔し過ぎる。

  • 21.劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:

ぼざろ初見。結束バンドの個性的なメンバー達が丁寧に描かれ、初見でもちゃんと一つの映画として楽しめる内容。

ぼっちちゃんが意外と喋る。陰気で目立たない根暗って感じの子かと思ったけど、内面では承認欲求拗らせてるのが現代っ子ぽくて面白いですね。

今作だけで綺麗に纏まってますが、次のRe:Re:だとどうなるのか気になります。

  • 22.ルックバック

こんな物語なのかとイメージと違い驚いた。

シナリオは個人的には普通な感じがしたけど、それを補って余りあるほど演出が非常に巧みですね。雰囲気や感情表現など拘り抜かれた作画は一級品だと思いました。

主人公があっさりした性格なのがとても良い。重いストーリーですが余計なストレス要素が無くテンポ良く進むので押し付けがましさも無く素直に心に響く秀作。

  • 23.ソング・オブ・ザ・シー 海のうた

リバイバルで鑑賞。予告見てて雰囲気がストライクだった。

イングランドの伝承やお伽話ベースにした独特の世界観が魅力。舞台は現代なので、ベースとなる家族愛の物語として感情移入もし易くて良かった。

久々に見たカートゥーン系アニメですが、とても丁寧に作られてて非の打ち所がない良作ですね。最後のシアーシャの選択も好きです。

  • 24.キングダム 大将軍の帰還

王騎将軍んんんんん!って叫びたくなる映画。終盤は号泣が止まらず大変な事に。

実写邦画に正直な所偏見がありはするのですが、今作はそれを見事に踏み越えてくれた。ここまでの映画を作れる余地があるのならまだまだ実写邦画は捨てたもんではない。

実写だからこその重厚感が伝わる戦闘シーン、 王騎将軍の生き様に胸打たれる号泣必至のストーリー。俳優達の迫真の演技。全てが一級品。間違いなくシリーズ最高傑作であり今年…いや、実写邦画の中でもトップレベルの傑作エンタメと言えます。

  • 25.化け猫あんずちゃん

いい意味でガバガバでシュールな世界観。二足歩行のオッサン猫がスクーターを乗り回し人語を喋る。

ずっとここにいたいと思わせてくれる田舎の温もりを独特な作風で表現出来た良作。物語が都会育ちで捻くれた少女の視点ってのも好き。

あんずちゃん結構クズだけど見た目は可愛い猫だから許されるw

  • 26.劇場版すとぷり はじまりの物語-Strawberry School Festival!!!-

すとぷり全く知らない初見。

まぁ自分はこのメンバーの客層とは全てが対極の人間だと思うので、そんな奴がとやかく言う資格のある映画ではないです。恐らくファンが見れば普通に楽しくて面白いでしょう。

主人公の莉犬が耳四つなのが気になって鑑賞後に調べた所「ファンの声を沢山聞くためだよ」との事。プロ意識に感動。