『キングダムハーツ3』レビュー
デスストの次にクリアしたのがこれ。
最近、シリーズ最新作である『キングダムハーツ4』が発表されましたね。購入のきっかけはスマブラだったんですけど、最新作が出るという事で積んでいた3をクリア致しました。
本作ではストーリーをクリアし、各ワールドの宝箱と幸運のマークをコンプリート。それに伴い隠しエンディングもちゃんと見てます。
プレイ時間は約34時間。
以下、レビュー。
良かった所
非常に凝ったディズニー要素
『キングダムハーツ』シリーズと言えば、主人公のソラを操作して様々なディズニー作品の世界(ワールド)を渡り歩くゲーム。
今作では『ヘラクレス』『塔の上のラプンツェル』『パイレーツ・オブ・カリビアン(以下、PotC)』『くまのプーさん』『ベイマックス』の他、日本国内でも歴史的ヒットを記録し社会現象を巻き起こした『アナと雪の女王』が登場。これらディズニー作品に加えて今作ではピクサー作品からも出典され、そこからは『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』の二作が登場しました。
更に、キャラクターだけではあるけど『レミーのおいしいレストラン』からネズミのレミーが登場しています。
本作をプレイする上で、これらの作品をレンタルや配信で事前に見るなりして知識を取り入れておくに越した事は無いでしょう。クロスオーバー作品なので、原作を知ってたら普通にプレイするよりも楽しめると思います。
個人的にお勧めはベイマックスですね。今作の出典作品だと一番好きです。
何と言っても、今作はそのディズニー/ピクサーワールドの作り込みが素晴らしいです。
映画は受動的な娯楽ではあるのですが、ゲームとして映画の世界を再現する事で能動のスパイスが加えられ、映画だけの世界に更なる奥行きを与えています。
僕は本作に登場する作品はPotC二作目以降を除いて全て鑑賞済みなんですが、ソラを操作して映画の世界を歩き回るのが映画好きとして楽しくて仕方ありませんでした。
中でもベイマックスとPotCの作り込みは凄まじかったです。
"サンフランソウキョウ"、"ザ・カリビアン(カリブ海)"と言うそれぞれの作品の舞台となる場所なのですが、プチオープンワールドと言っていい程の出来栄えで原作のファンには堪らないと思いました。考察材料等としても打って付けかもしれません。
また、"秩序を守る魔法"と言う物で一部ワールドでは主人公達の見た目が世界観に馴染む様に工夫が為されています。
画像はトイスト世界の姿ですが、ソラがおもちゃっぽい質感になってますね。これらの変化も楽しめました。
各ワールドではディズニーランド名物の"隠れミッキー"も実装。
撮影して記録する事がやり込み要素の一つとなっています。
ラプンツェルとのダンスやレミーとの料理、カリブ海で海賊船に乗って大航海などミニゲーム等も非常に豊富。
再現度の高いグラフィックのクオリティもあってディズニーファンには最高のゲームなのは間違いないと思います。
ほぼ原作まんまのムービー
ディズニー世界の取り扱いに伴い、ムービーでは原作のシーンやオリジナルの掛け合いをムービーを通して再現。
その再現度は極めて高く、雰囲気からキャラの挙動から何から何まで原作ほぼそのまんま。
アナ雪ワールドではあの"超有名シーン"も今作でしっかり再現されています。
原作が実写作品ゆえにフォトリアル風CGで再現されたPotCもまた素晴らしい。
勿論ジョニー・デップ出演です。スクエニはギャラ幾ら払ったんでしょう…。
また、中でもピクサー作品はいずれも原作のアフターストーリーや補完の形式を取っており、原作を知っていると倍増しで楽しめました。
キャラの見せ場もちゃんとあり、特にモンスターズインク世界の終盤におけるサリーの活躍は個人的にはかなりお気に入り。彼がモンスターズインクにおける超一流のモンスターである事が改めて分かる、本作屈指の名シーンだったと思います。
その為、いずれのワールドの物語もファン必見な珠玉の完成度だと思いました。
簡単操作で爽快なアクション
基本的に難易度は全編通してあまり高くないと感じました。
流石に終盤ともなると装備構成等を考えなければ詰むのですが、RPG初心者であっても問題ない様な常識的な範囲での構成考察で突破出来ると思います。
これはディズニー作品を扱う関係上ライトユーザーに配慮しての事でしょう。
ボタン連打で爽快感溢れる楽しいアクションが可能なライトなアクションRPGで、派手で凝った演出の必殺技も存在し誰であってもストレスなく戦闘を楽しむ事が出来ます。
僕はやってないのですが、クリア後は強敵や裏ボスが解放されます。
歯応えのある戦闘を楽しみたいと言う方は是非挑戦してみるといいでしょう。
気になった所
メインストーリーは新規お断り
キンハは10年以上続いてる続きものの作品で、シリーズの物語や世界観の全貌を掴むには当然ながら今作だけでは不十分です。
本作は公式曰く「ダークシーカー編完結作」との位置付けらしく、メインストーリーだけに限れば「MCUをいきなりエンドゲームから見る様なもの」と思っていいでしょう。
その為、アナ雪やトイストに惹かれて初めてシリーズに手を出すとオリ勢同士の関係や因縁に重きを置く終盤で特に置いてけぼりを喰らう可能性が高いなと思いました。一応歴代シリーズのダイジェスト映像が収録されてるけど、これだけでは恐らく着いて行けない気がします。
ですが、それを差し置いても本作はいちキャラゲーとしてディズニーファンには非常にうれしい作品でした。
本作がリリースされている全てのハード(PS4/XBOXOne/PC/Switch)で過去作のリマスターもプレイ可能なので、時間のある方は過去作にも手を出してみると良いかもしれません。
まとめ
メインストーリーが極めてシリーズファン向けではありますが、それを差し引いてもディズニーファンには堪らない一作です。本作が気に入ったら、良い機会と言う事で過去作品に触れてみるのも良いでしょう。
僕は映画が好きで本作に登場する作品は全て履修した上でプレイしたので、映画作品を一つ一つ体験するリッチなキャラゲーとして非常に楽しめました。
特に、今作にワールドとして登場したピクサー作品は二つとも正史として扱われているようです。
それだけにトイストとモンスターズインク世界の物語面での完成度は素晴らしいので、これらが好きと言う方も是非手に取ってみてください。