今回は僕のゲーム好きにおける原点みたいなゲームを紹介します。
いやぁ懐かしいですね。今の20代の方はザ・青春のゲームって人相当多いでしょう。
ゲームボーイアドバンスで発売されたポケモンシリーズ三世代目『ポケットモンスター ルビー/サファイア』。その三色目・完全版に位置する『エメラルド』です。
未だにこのゲームを楽しんだ記憶が新しい気がするんですが、もう18年前の完全なレトロゲームという事実。光陰矢の如しで、あれから世界もゲーム業界もポケモンも色んなものが見違える程に変わって行きました。
もうすっかり昔のゲームですが、YouTubeではやり込み動画が未だに投稿されたりと非常に長い間愛されてる作品でもあります。
何だか無性にまたやりたくなってしまって。
ゲームのレビューもそれなりにしたし、ここらで原点回帰してみようかなと10年以上ぶりにプレイしました。
で、今回のやり込みですが殿堂入りは勿論、単一ROMで入手可能なホウエン図鑑範囲のポケモンを全て図鑑登録しました。
アメタマの様に当バージョンにて野生では出現しないポケモン、カイリキーの様に通信交換必須のポケモン、選ばなかった方の御三家一族みたいな複数から一択系のポケモン、デオキシスの様な幻のポケモンは除いてます。ご了承ください。
ここまでのプレイ時間は約54時間。
以下、レビュー。旧ハードゆえに、写真は直撮りなので御了承ください。
良かった所
美麗なカラードットのみで表現された最初で最後のポケモン世代
ポケモンシリーズもXYを皮切りに、今となっては3Dで描写されるのがスタンダードとなって久しいです。最新作なんかオープンワールドですから、時代と共にポケモンも進化して行くのだと感じられますね。
今作は長いポケモンの歴史において、赤緑リメイクのFRLGを含め唯一「全てがフルカラーのドット」のみで表現された世代となります。
次世代の『ダイヤモンド/パール』では建物の一部が3Dだったりしましたからね。キャラクター、戦闘アニメ、カットシーン、フィールド…ゲームを構成する全てが美しい色付きのドットというのは、今振り返ると今世代だけの非常に大きなアイデンティティと言えるのではないでしょうか。
この頃のゲームはもうポケモン含め専らCGや3Dが当たり前です。自分も時代に染まって久しいんですが、超久々にやって懐かしさや古さ以上に寧ろ新鮮さを感じることが出来ていたのは不思議でした。
これは恐らく、長らくこの手の"枯れた技術"から離れた今の自分だからこそだったのだと思います。
ポケモン一匹一匹のドット絵もとても良いですよね。全体的に色合いが少々淡めで、一部はちょっと目つきが怖いのも良い味出してると思います。
余談ですが最近だと『オクトパストラベラー』や『アンダーテール』の様な、ドットで表現されたゲームが今になって人気だったりしますよね。
3D表現が当たり前の今だからこそ、その手の枯れた技術をある種の完成された表現技法として再評価する向きがゲームユーザーの間では強まってるのかもしれません。
非常に豊富なやり込み要素
完全版なだけあって、非常に充実したエンドコンテンツで相当長く遊べるのも大きなポイントだと思います。
"ポケモンコンテスト"で普通のポケモンバトルとはまた一味違う勝負が出来るのもそうですが、殿堂入り後は"バトルフロンティア"と言う施設が解放されます。
乱暴な言い方してしまえばここは所謂「廃人用」であり、パーティーの戦略や各ポケモンのステータス等気を配って挑まないとなりません。ジムリーダー同様に施設は8種類ありますが各施設に様々な縛りや癖の強いルールがあり、旅のジムリーダー感覚で挑むと痛い目見ること請け合いでしょう。
それから、クリア後はホウエン図鑑がアップデートされて"全国図鑑"に。とある施設に行くと、第二世代『ポケットモンスター 金/銀/水晶』初出のポケモンの一部がゲット出来るようになります。
画像でネタバレとか言わないでください。ごめんなさい。
まあ今となっては色々便利になって「金銀勢がゲット出来る?だからどうした」った話ではあるんですけど。
当時は赤緑青/金銀水晶とRSEは通信不可能だったので、二世代以前のポケモンは旧ROMに閉じ込められてRSE単体では全国図鑑の完成は不可能でした。『ファイアレッド/リーフグリーン』としてリメイクされてRSEと繋がれた赤緑はともかく、金銀は本当に孤立状態。
RSEで初めてポケモンに触れてそれ以前を触ってなかった僕はチコリータ/ヒノアラシ/ワニノコなんて実在すら信じられませんでしたからね。ルギアとホウオウなんてデオキシスより幻感ありましたよ当時。
なのでホウオウがRSEに転送出来る『ポケモンコロシアム』とかルギアが手に入る『ポケモンXD 闇の旋風ダークルギア』とか、その問題を解決する為の外伝タイトルがゲームキューブで出たりしてたんです。
まあ別にこの為のソフトって訳ではありませんが、当時これが大きなセールスポイントだったことは間違いありません。ポケモンの変わらない人気規模や需要の大きさが改めて窺い知れると思います。
余談が長くなりましたが、金銀勢の超レア感や未知のポケモンと出会えるあのワクワクは僕の様なRSEでポケモン初デビューって者にしか分からなかったと思います。
レディバやイトマルみたいな弱いポケモンでも、レベルを上げまくれば知らない別のポケモンに進化するってのが凄い楽しかったですね…。
楽しかった秘密基地トレード
今回は単一ROMでクリアしたのでやれては無いんですが、RSEの評価点にこれを加えないのはちょっとなと思いまして。過去の記憶を追憶する様なレビューになると思います。
"ひみつきち"システムですね。多分RSE特有だと思います。
各フィールドに点々と存在する"岩壁の四角穴"、"固定シンボルの木"、"草のかたまり”をチェックして"ひみつのちから"を使うことで、自分だけの秘密基地を一つだけ作ることが出来ます。
『どうぶつの森』の家みたいな感じですね。レビュー用なので不出来で申し訳ないんですが、人形やポスターやマット以外にも机や椅子や植物など色んな物を設置出来て自分だけのマイホームをセッティング出来るのです。これは当時凄く少年心をくすぐられました。
それに通信ケーブルで他のプレイヤーとトレードを混ぜると、そのプレイヤーの秘密基地がフィールド上に現れるようになってました。この秘密基地には相手プレイヤーが対戦用NPCとして鎮座してるので、相手が強力な手持ちでトレードすれば歯応えのあるバトルや効率の良い経験値稼ぎにも利用出来て便利でしたね。
更にこのトレード混ぜは「A君とトレードを混ぜたB君が、C君とトレードを混ぜたらC君のROMにA君の秘密基地も現れる」って感じでROMを通してチェーンメール式に広がって行くのもポイント。今ではネットで世界の誰とでも繋がれますが、この繋がり方はケーブル通信全盛期の当時ならではでした。
今はもう現役でRSEやってる人はほぼいないでしょうから、これの楽しさは本当に旬だからこそだったと思います。単にそこに誰かの秘密基地があるってだけでもワクワクするのに、知り合いだけじゃなく色んな人のレイアウトや手持ちが見れるのは凄く楽しかったです。
ポケモンは時代に合わせて、その時々の子供心を刺激するのが上手ですね。
気になった所
一部特殊過ぎる入手条件のポケモン
特殊状況下でしか手に入らないポケモンはシリーズ定番だとは思うんですが、中でもシリーズ通して特に入手条件が鬼畜なポケモンがいたことは有名だと思います。
それは"ヒンバス"です。初見すら完全な運ゲーっていう地方徘徊型のラティ兄妹も大分だとは思いますが、こっちはあるテクニックを使えば簡単に会えるので…。
その鬼畜仕様っぷりは是非ともググってみてください。僕は今回たまたま運良く早期に手に入りましたが、運の悪い人は地獄の作業に苦しめられると思います。
ポケモン本編はXYを最後にプレイはしてないんですが、僕の知る限りの後のシリーズで少なくともここまで厳しい入手条件のポケモンはいなかった気がします。強いて言えばDPtの"ミカルゲ"でしょうか。
今となっては良い思い出って人も多いでしょうけどね。この辺は昔ながらって気がします。この他にも滅茶苦茶過ぎる出現確率の"マボロシ島"とか。
RSE世代ほど、後のBWなんかでミロカロスが釣りで出て来た時の衝撃は大きかったでしょう。
まとめ
ノスタルジーだけでなく今だからこそより新鮮に写るものがあり、当時だからこそ楽しめた部分やワクワクを追憶し、大袈裟ですが改めて今の自分自身をも見つめ直す良い機会だったと思います。
何かと世代間で良くも悪くも認識が割れるシリーズではあるんですが、それはあの頃の自分と同じ様に、全ての世代で「このポケモンこそが俺の/私のゲーム人生の始まり」って人が多いからだと思います。
常にその時代の多くの子供達の思い出の原点と成り得るという意味で、やはりこのシリーズは数あるゲームの中でも別格であり非常に意味のある存在なのでしょうね。
最新作の『バイオレット/スカーレット』は現状購入するかは分かりませんが、今回敢えてエメラルドをやり直して自分としてはとても意味のあるゲームプレイでした。